ミッション完遂まで帰れません
「ミッション達成まで日本に帰れない」
幸い、海外出張で、そこまでの状況に追い込まれたことはありません。日本から海外の工場に製造設備を持ち込んだり、品質トラブルの調査に現地に乗り込んだりしたときに、もしかすると最初に予定した日程内でミッションを達成できるないかも、と考えたこともありますが、結局、予定通り帰国することができています。
ただ、他の人で、工場の立ち上げに関わって、滞在を何度か延長せざるを得なくなり、先が見えない心労で円形脱毛症になった方もおられます。
今回は、観光旅行で、必ず見ることができる訳ではないものを見たいという妻のリクエストを受けて、計画、実行、し、ミッション完遂にいたった例を挙げます。具体的にはオーロラ、青の洞窟です。他には、例えばホエールウォッチングなども確実には見えないものに該当するでしょう。
基本的な対策としては以下のようになります。
・過去のデータから、見ることができる確率が高い場所、時期を選ぶ
・日程の変更が可能なホテル、移動手段を用いる
後者は団体ツアーでは不可能で、「個人旅行」である必要があります。ホテルはBooking.comなどで前日までキャンセル可能なところを予約し、飛行機など予約が必要な交通手段は使わないなどの工夫をしました。
ただ、仕事の都合で、帰国便を延長することはできないためスケジュールには限界があります。その場合は神頼みしかないでしょうね。
オーロラを見るまで帰れません
オーロラは北緯65度~70度の「オーロラベルト」上で特に頻度高く見ることができます。そして観測環境が整備されているオーロラ観光地は北欧または北米です。オーロラを見るには天候がよいことが必要であり、シーズンである冬場の天候は北米の方がよいことが多いため、オーロラを見ることができる確率はイエローナイフ(カナダ)など北米のオーロラ観光地の方が高いです。
それでも私は北欧を選びました。それは北米だと、オーロラ観光地の近くに冬場楽しめるような観光地がなく、オーロラ観光のみが目的となるようなストイックな旅行になるためです。北欧は、後述するように、オーロラ観光地以外にも楽しめる場所が多かったため、総合的に判断して北欧を選びました。夏の北欧4か国(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)は行ったことがあったのですが、冬は初めて。
フィンランドのヘルシンキ(下図の青ピン)で年越し、元旦にサーリセルカ(オレンジピン)という北極圏のオーロラ観光地に移動し、その日の晩からオーロラ観測を始めました。
1/1~3は天気がよくなかったのですが、少しは見えるかも、と夜~深夜にちょくちょく外に見に行ったのですが見えず、昼間はトナカイぞりや犬ぞりを体験。
4晩目、ようやく1/4にオーロラを見ることができました。下の写真にあるように、満点の星が見えるような快晴でないと見えず、それまでの曇天の空ではノーチャンスだったことがわかりました。ホテルによると、到着前の12/30から1/3までの5晩、オーロラは見えておらず、ようやくミッションを完遂するチャンスが回ってきた訳です。
オーロラの美しさに加え、4晩目にようやく見れたことに感激ひとしおでした。
その後、残りの日程の計画を組み、
- ロヴァニエミでサンタクロース村を楽しみ、
- サンタクロースエクスプレス(寝台電車)でヘルシンキまで移動し、
- フェリーでエストニアに渡り、首都タリンの街を歩き
- ヘルシンキまで戻り買い物をして
帰国しました。
青の洞窟を見るまで帰れません
イタリア南部のナポリからフェリーで1時間ほどの、小さな島、カプリ島に「青の洞窟」はあります。
「断崖絶壁にわずかに開いた入り口から内部に入ると、まさに絶景。水面から放たれる深い青色の輝きが暗い洞窟内を包み込む神秘的な空間が広がっています。(HISから引用)」
入口の高さが低く、波が高いと入れません。
当日の朝に、その日洞窟に「入場」できるかがわかります。月ごとの「入場率」については、下記サイトなどに
過去のデータが掲載されています。
https://www.italiaexpress.net/taiken/ao-no-doukutsu.htm
l私は5月に行きましたが、11月から翌年3月に掛けては入場率はかなり低くなり、0%の月もありました。
カプリ島(オレンジピン)に宿泊しました。
2日間入場できなかったため、ポンペイ(上図緑ピン)や美しいアマルフィ海岸(青ピン)に行きました。カプリ島とソレント(黄色ピン)間はフェリーで20分ほどで、ソレントからポンペイ遺跡は鉄道、ソレントからアマルフィ海岸はバスで行くことができます。何度もいくことになったソレント自体も港から中心地から高低差がある面白い構造の美しい町です。
青の洞窟には、海路から行く手段と、陸路から行く手段がありますが、海路はハイシーズンだと1~2時間舟の上で待つことがあり、船酔いやトイレ、日焼けなどの心配があるため、陸路がお勧めです。私が宿泊したホテルから徒歩で行くことが出来ました。洞窟まで階段で降りていくのですが、それほど待つ人も多くなかったためすぐに見ることができ、また1回目で、揺らめく水面の「青」に感動したので、もう一度並んですぐに2回目を見ました。
ミッション完遂です。その後は、再度予定を組みなおして、ミラノなどイタリア北部に向かいました。
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